支援プログラム内容
地域社会の「ライナスの毛布」になる
HPでも紹介しているリズム(株式会社ウォームブランケット)の理念です。 「ライナスの毛布」はイギリスの精神分析医ウィニコットの理論にある「移行対象」の分かりやすい見本として説明されています。
一昨年の8月にNHK「知るしん」に出演された新海誠さん(映画『君の名は』『天気の子』の監督)がインタビューの中で、この「ライナスの毛布」について触れられていました。 新海さんは長野県小海町の出身です。夢をかなえるために高校を卒業したら東京に出ていくことが決まっていました。でも住み慣れた自然の美しい故郷から離れて生活をすることにはとても寂しさを感じていたそうです。そこで新海さんは高校3年生の春休み、「小海町の風景を全部覚えて記憶して自分が好きだった眺めを全部頭の中に入れて東京に持っていこうと思った」「なので高3の三月とかは山を歩いて河原を歩いて石の形も川の色も山のにおいも全部覚えて東京に持っていこうと思っていたのを今でも覚えている」と語られていました。 心理学の概念の中に「ライナスの毛布」というものがあって「それがあると安心するもの」、そしてそれを肌身離さず持っていることで自立することができる、新海さんにとって故郷の美しい自然の景色がその毛布にあたるものだったのかもしれない、と話されていました。
そんなお話を今度、リズムのグループワークでしてみたいと思います。 題して「あなたは『ライナスの毛布』を持っていますか?」 上京する新海さんが故郷の自然をこころに抱えて旅立ったように、「ライナスの毛布」はその人の「安心」を保障する基盤です。心の中に置いていつでもどこでも持ち歩ける「安心毛布」をあなたは持っていますか? 新しい職場で勤め始めるとき、あるいは職場で大きな壁(困難な課題、ストレス)に直面した時、緊張や苦しみを耐えて解決の日まで辿り着く「安心」を持つことができていますか?
「あったはず、だけど折れてしまった」のならば、もう一度集めてゆっくり思い出していきましょう。
「そんなもの分からない」のならば、まずは「好きなもの」から集めていきましょう。
リズムのスタッフは(そしてそこで提供するプログラムや様々な体験は)利用する人の「ライナスの毛布」でありたい、といつも願っています。 また同時に、リズムで過ごす日々が(新海さんのお話のように)利用する人が「ライナスの毛布」を作り上げる、あるいは思い出す機会になるように支援しています。
「ライナスの毛布」は個人が社会に参加するための懸け橋です。リズムは懸け橋になるものを用意することはできます。けれども、その懸け橋を歩き出すかどうかはその人の意思です。背負って運んでもらうことも引っ張り上げてもらうこともできません。自らの足で、自らの意思で歩き始めることこそが成長そのものだからです。
ですから、本人が「逃げて」しまいたくなったり、不安に耐え切れず「投げ出して」しまったりするなら橋を渡ることはできなくなってしまいます。 未来に向かう「前向きの力」が成長とすれば、それは「後ろ向きの力」と言えるでしょうか。 後ろ向きの力は嵐のようです。不安や怖れ、自信のなさなどの激しい渦の中で行先を見失うようにリズムを去っていった人も何人かいました。
「どうか、」と祈ります。 「どうか前向きの力を見失わないで」と祈ります。 ほかの誰にも手が届かない、本人だけがコントロールできる場所が人のこころの中にはあるのだと思います。 ですから、リズムを利用する人、利用したいと思う人には 「どうぞ前向きの力を見失わないで」と願います。 毛布を握りしめるのも、自分の中に大切に残していくのも本人にしかできないことなのです。
「あなたは『ライナスの毛布』を持っていますか?」
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ライナスの毛布
地域社会の「ライナスの毛布」になる
HPでも紹介しているリズム(株式会社ウォームブランケット)の理念です。
「ライナスの毛布」はイギリスの精神分析医ウィニコットの理論にある「移行対象」の分かりやすい見本として説明されています。
一昨年の8月にNHK「知るしん」に出演された新海誠さん(映画『君の名は』『天気の子』の監督)がインタビューの中で、この「ライナスの毛布」について触れられていました。
新海さんは長野県小海町の出身です。夢をかなえるために高校を卒業したら東京に出ていくことが決まっていました。でも住み慣れた自然の美しい故郷から離れて生活をすることにはとても寂しさを感じていたそうです。そこで新海さんは高校3年生の春休み、「小海町の風景を全部覚えて記憶して自分が好きだった眺めを全部頭の中に入れて東京に持っていこうと思った」「なので高3の三月とかは山を歩いて河原を歩いて石の形も川の色も山のにおいも全部覚えて東京に持っていこうと思っていたのを今でも覚えている」と語られていました。
心理学の概念の中に「ライナスの毛布」というものがあって「それがあると安心するもの」、そしてそれを肌身離さず持っていることで自立することができる、新海さんにとって故郷の美しい自然の景色がその毛布にあたるものだったのかもしれない、と話されていました。
そんなお話を今度、リズムのグループワークでしてみたいと思います。
題して「あなたは『ライナスの毛布』を持っていますか?」
上京する新海さんが故郷の自然をこころに抱えて旅立ったように、「ライナスの毛布」はその人の「安心」を保障する基盤です。心の中に置いていつでもどこでも持ち歩ける「安心毛布」をあなたは持っていますか?
新しい職場で勤め始めるとき、あるいは職場で大きな壁(困難な課題、ストレス)に直面した時、緊張や苦しみを耐えて解決の日まで辿り着く「安心」を持つことができていますか?
「あったはず、だけど折れてしまった」のならば、もう一度集めてゆっくり思い出していきましょう。
「そんなもの分からない」のならば、まずは「好きなもの」から集めていきましょう。
リズムのスタッフは(そしてそこで提供するプログラムや様々な体験は)利用する人の「ライナスの毛布」でありたい、といつも願っています。
また同時に、リズムで過ごす日々が(新海さんのお話のように)利用する人が「ライナスの毛布」を作り上げる、あるいは思い出す機会になるように支援しています。
「ライナスの毛布」は個人が社会に参加するための懸け橋です。リズムは懸け橋になるものを用意することはできます。けれども、その懸け橋を歩き出すかどうかはその人の意思です。背負って運んでもらうことも引っ張り上げてもらうこともできません。自らの足で、自らの意思で歩き始めることこそが成長そのものだからです。
ですから、本人が「逃げて」しまいたくなったり、不安に耐え切れず「投げ出して」しまったりするなら橋を渡ることはできなくなってしまいます。
未来に向かう「前向きの力」が成長とすれば、それは「後ろ向きの力」と言えるでしょうか。
後ろ向きの力は嵐のようです。不安や怖れ、自信のなさなどの激しい渦の中で行先を見失うようにリズムを去っていった人も何人かいました。
「どうか、」と祈ります。
「どうか前向きの力を見失わないで」と祈ります。
ほかの誰にも手が届かない、本人だけがコントロールできる場所が人のこころの中にはあるのだと思います。
ですから、リズムを利用する人、利用したいと思う人には
「どうぞ前向きの力を見失わないで」と願います。
毛布を握りしめるのも、自分の中に大切に残していくのも本人にしかできないことなのです。
「あなたは『ライナスの毛布』を持っていますか?」